最後にありがとうと言えたなら ~亡くなった方が教えてくれたこと~

大切な方とのお別れの仕方をご遺体が教えてくれました

生前葬の話②生前葬は自由なんだ

4月30日大阪で行われた生前葬 主催はエンディングコンシェルジュこと、おもいを遺す生き方ナビゲーターWILL 代表の谷口佳津子さん。 今回、谷口さんのやりたいことを詰め込んだ生前葬。その中身をご紹介します。 第一部が納棺式とプレイバックシアターと言わ…

生前葬の話①裏側の話

4/30大阪 谷口佳津子さんの生前葬がホテルセイリュウで行われました。 2年ぐらい前に谷口さんから生前葬をやりたい、その中で納棺式という時間を知ってもらうためにも、生前納棺式をやってみたいというお話しをいただきました。 その時、私の持つ生前葬のイ…

ありがとうは生きてるうちに。

昨日は生命保険会社で模擬納棺式を行いました。 納棺式で出来ることやどんな時間なのかをお話し、その後、お葬儀の中の納棺式という時間を模擬納棺式として体験していただきます。 この日、少しの間あの世に旅立つ会社の上司を一緒に働く社員の皆さんが遺族…

パパっぽい

最近メイクを1人で任されるようになった後輩納棺師が、あるお父さんのメイクをした時、開いていた口が閉じて、白い顔に血色が戻って穏やかな顔のお父さんをみた娘さんが 「わー、パパっぽい」って言ったそうです。 それを聞いたお母さんとお姉ちゃんからすぐ…

お正月も走る納棺師

2023年 お正月です。火葬場もお休み、葬儀もない元旦ですが、現場に向かう納棺師がいます。 さすがにいつもよりは件数は少ないにせよ、年末から年始にかけて、日延する(火葬までの日数が長い)亡くなった方がいるということは、火葬までの状態変化を最小に…

亡くなった方からのご褒美

「ご褒美」なんていい言葉。 私は自分によくご褒美をあげる 一つのプロジェクトをやり終えた! 育てた新人さんが無事社内試験に合格した! 子供が無事就職! 頑張ってブログを更新した! 頑張って家を掃除した! だんだん頑張ったことがショボくなるのは置い…

繁忙期

一月ももう、終わってしまうのですね。 この数ヶ月は新しいことに囲まれて時間の流れのスピードが「私のスピード」ではない中を浮いたらり沈んだりしながら進んでいました。 2021から2022年、私にとって11月に納棺師を卒業したことが1番の変化でした。最初は…

亡くなった後の夫婦喧嘩

大切な方を失ったご遺族の頭の中は決していい想い出だけではない。嫌な想い出、辛い想い出の中で止まっている方もいます。それはおかしいことじゃない。 以前納棺式でご遺族のお手伝いをしていた時の話。 亡くなったのは70代の男性、喪主の奥様、娘さん二人…

ブログ再開 本の出版と地元

いろんな方のお力をいただき、11月17日ブログが本となり発売されました。 ここ数日は有難いことに、本の感想が届いてます。私がどんなに感動感謝しているか伝えたいけど、どの言葉も足りない気がして結局 「ありがとうございますー」、、、足りないなぁ 夜ハ…

口元気にしてます!

納棺師としてのお仕事は先月で卒業したのですが、ふと思い出して笑ってしまうことがあります。 10月のある日の出来事。 4月入社の新人さんがそろそろ独り立ちの季節。このところ、現場に一緒に行くことが多いのですが、体力も気力も必要で正直いうと、しんど…

よいお母さんになりたい私

今まで何人ものお母さんの納棺式を見てきました。どんなに仲が悪くケンカばかりしていたとしても、会話がなくなっていた親子であっても「死」という出来事は、親子や人とのつながりを考え、気づかせてくれる、亡くなった方から送られる最後のギフトに思えて…

本になるのかあ?

埼玉から電車を乗り継ぎ「神楽坂」へ出口を教えてもらっていたのに、間違えたお陰でなんだかお洒落な街並みを眺めながら歩くこと、10分。 着いたのは「新潮社」という出版社。 実は細々と書いていたこのブログが本になることに決まりましたー!!(本当に決…

上手くいかない日の話

(今回は亡くなった方のお体の変化について書いています。読みたくない方もいるかもしれません。) 新人納棺師さんが時々 「私じゃなければ、もっといいお別れが出来たかも...」と悩みを打ち明けてくれることがあります。 一生懸命自分の出来ることを行ったけ…

桜の下の棺

桜の時期に思い出す光景 桜の季節になると、一枚の写真のように思い出す光景があります。庭に咲いた桜の花。隣接する公園の桜の木と重なり、まるで切り絵のようです。桜の木の下には亡くなったお父さんが寝ている真っ白い棺が置いてあり、その周りで遺族が思…

お母さんの匂い

お母さんの匂い まだ小さな子供がいらっしゃるお母さんの納棺式はいつも緊張します。自分と重ねて、『もっと子供の成長を見たかっただろうに』『子供達はお母さんがいなくなってこれからどうするんだろう』伺う前からつい、そんなことを想像して、悲しい気持…

言葉に残すこと

いつも、思うことがあります。 納棺式で、ご遺族の言葉が亡くなった方に届いているのだろうか。 私はたまたま、納棺師という職業でご遺族のお別れの場に立たせていただいてます。ご遺族の言葉に涙が出てくる事もあります。 でもその言葉は私や周りに聞かせた…

心は当たり前に反応する

ごく親しい人だけで行う納棺式。 時には遺族同士で、もめることもあります。 小学校高学年の息子さんが交通事故で亡くなった時、お母さんは納棺式の間ずっとベッドの上の息子さんに覆いかぶさり泣いていました。 そのお母さんのお母さん、つまり息子さんにと…

どんな顔で逝きますか?

亡くなった時、棺の窓から見える顔は穏やかでありたい。 もう、自分は亡くなってしまっているから、どうでもいいと思う人もいるかもしれません。 だけど残された人にとっては、身近な方の死顔は穏やかであってほしいと願うものです。 ご遺族と話をしていると…

ヒポクラテスの誓い

私が外部講師として携わったている納棺師の学校「おくりびとアカデミー 」の卒業試験が近づいてきました。 今回はコロナ禍の影響で1ヶ月遅れてのスタートになりましたが、その分、努力し学んだ生徒達が、いよいよ卒業です。 毎年のことなのに、今年もまた、…

生前葬のススメ

『生前葬TV-又吉直樹の生前葬のすゝめ』 久しぶりの投稿です https://www.twellv.co.jp/program/variety/seizensou/ 先日朝のニュースで『生前葬TV-又吉直樹の生前葬のすゝめ』(BS12)が、第10回衛星放送協会オリジナル番組アワードの番組部門<バラエティ>…

梅雨のお別れ

今年は雨が少ないなぁと思ってましたがここ2、3日は梅雨らしい空模様が続いています。 休みの日の雨は、家の中で過ごすにはなんの問題もなく、シトシト降る雨を眺めて 「こんな日に働いている人がいるんだよね」と小さな罪悪感と優越感に浸り休みを満喫して…

変わりゆく新しい世界

最近、納棺師でありながら研修の準備や新卒採用の為に日中はパソコンを、触っていることが多い。 元々事務作業が苦手な上に、オンラインだの動画配信だの初めての試みが多くて1人で調べて、やってみるの繰り返し。 それなら、休みは極力パソコンや携帯電話な…

紙の上の納棺式

納棺式というお別れの時間を知ってほしくて始めたブログで、いいお別れは納棺式じゃなくても出来る!という話をする日がくるなんて・・・。 それもこれもコロナのせい 葬儀業界の新型コロナ影響は、あまり取りざたされませんが、ご多分に漏れず葬儀の現場で…

驚かない技術

お骨って食べれます? 納棺士の仕事をしていると時々驚くことがあります。こんなご遺族の言葉にも、最近ではあまり驚くこともなくなりました。きっと食べたいぐらい側にいたいんだなって思います。突然身近な人を亡くしたらそんな風に考えてしまうなって。 …

会いたい幽霊

心霊ブームとピンクレディ私が小学校低学年の頃、心霊ブームで心霊写真とか、怪奇現象が、よくテレビで取り上げられていました。 ちょうど学校から帰る時間、テレビをつけるとやっていた心霊写真の特集が私は怖くて仕方がなかったんです。確か、3時のあなた…

亡くなった人に呼ばれる話

時々 あー、私今日この故人に呼ばれたなって思うことがあります。 例えば、千葉県の納棺式のお手伝いに行った時、そこに来ていた親戚の1人の方に「以前、私の母の納棺式をやっていただいたの覚えていますか?」と聞かれたことがありました。私と同じぐらい…

死のリセット

もう、何度も使われ倒したセオリーかも知れませんが、ゲームに慣れ親しんできた子供達が、死んだ人をリセットできる感覚をもっているっていうんですよね。 ある本に、小学生の10%が人は死んでも生き返ると思っている。と書いてあっても、特に驚くべきことで…

納棺士の求人情報はどこに?

私が納棺士と知ると、周りから色んな質問を受けることがあります。普段から非日常に暮らす納棺士は、未知の職業なのかもしれません。かく言う私も、納棺士は亡くなった方をお化粧する仕事?ぐらいのイメージでした。 よく聞かれること①どうやったら納棺士に…

年末年始の納棺式

【火葬場もお正月はお休み】 12月30日からお正月月三が日までは、殆どの火葬場が休館日になります。 通常、納棺式を行うタイミングで1番多いのは通夜の前です。 長く火葬場がお休みになるということは、亡くなった人が火葬されずどんどん貯まっていくわけで…

年の瀬も納棺士に休みなし

ブログをはじめて、3カ月。 葬儀業界、年末年始も仕事があれば休み無し。 それでも今年はありがたいことに、31日〜2日までお休みをいただきました。 しかし、弊社に在籍の45名の納棺士のうち、3/2の納棺士が年末の今日も走っています。 そんな中、今年始めた…