最後にありがとうと言えたなら ~亡くなった方が教えてくれたこと~

大切な方とのお別れの仕方をご遺体が教えてくれました

結婚式と納棺式

葬儀業界にも繁忙期がありまして、11月後半から2月ぐらいまでは、とてもバタバタしております。 そんな中、体調崩して気がつけばもう、12月です。 令和最初の11月22日のいい夫婦の日に、沢山の芸能人が結婚した後に書いたブログを今頃ようやく投稿です^^; 結…

最後の会話

深い悲しみから逃げたくなる時死別を体験したご遺族の悲しみは、はかり知れないものがあります。 悲しんでる人の側にいるって大変です。 しかし、私たち納棺士は「納棺式」というお別れの場でご遺族のお手伝いをする仕事です。 側にいる覚悟を持たなくてはな…

弱り目に祟り目

秋の花粉症がずっと続いてる。毎年のことだけど今年は症状が酷いなぁと思っていたところに発熱。 腰も痛いし、インフルエンザ?病院に行ったところ風邪とのこと。 あまり熱が出ない体質だし、二日酔い、腰痛以外に体調が悪いこともあまりないのに、どうした…

納棺士の腰問題

やってしまいました。 腰問題。納棺士にとって、腰痛は職業病です。この世での最後のお風呂、「湯灌の儀式」は、お湯を20ℓのタンク二個に入れて移動しますし、自分より重い故人を抱えてご移動することもあります。 着せ替えをする時も、お体が大きい方だとス…

ラジオ収録

ラジオ番組にお呼ばれしました! 栃木放送。是枝つぐとのおみおくり百科 是枝社長は小金井の葬儀社の社長で、普段から大変お世話になっております。そして、グリーフサポートの仲間(先輩)でもあります。 めちゃくちゃ緊張しましたが、お二人のパーソナリティ…

普通の主婦のわたしがなぜ納棺士になったのか?

告白をすると、自分のことを普通の主婦というのはだいぶ語弊があると思っています。私は妻として、母親としては「ポンコツ」です。四角い部屋を丸く掃除し、冷蔵庫の中で人参がミイラになっていたりします。裁縫も料理も得意ではなく、子供たちは早いうちか…

ブログには向かない体質の私が伝えたいこと

ブログをあげるって大変ですね。 だって、ブログって「私はこう思うんですよ」って発表するようなものです。周りからどう思われるか心配な人にとって、すごくハードル高いんです。遺族との一場面を書くときは、嫌な思いする人がいるんじゃないか?誤解をされ…

音の記憶

先日、自宅で子供達が小さい頃の映像を整理していると亡くなった父の映像が出てきました。 今では25歳、24歳の息子達が、映像のなかでは、まだ、4歳、3歳ぐらい。父の膝の上で夕ご飯を食べて笑ってます。 こんな映像が、あったのかと懐かしい気持ちになりま…

最後のお出かけに着ていく服は?

映画「おくりびと」で本木さんが納棺師という職業にスポットライトを当ててくれたのは、もう、10年以上も前の話。 綺麗な所作で着物を着せる姿を見て、全ての納棺師がご遺族の前で着せ替えが出来るかというと、実はそうではありません。大抵の納棺師は2名で1…

新人納棺士さんに学ぶこと

納棺士になって10年が過ぎ研修や教育する側となり、なんだか偉そうなことを言ったりしてます。 納棺士になるには、資格があるの? と聞かれたりしますが、資格などはなく先輩納棺士について覚えていく職人のような世界です。 とは言え、最近は大学を出て納棺…

お化け屋敷と納棺士

私は人に感謝されることに慣れていません。 お気づきかもしれませんが、私の妻や母親としての能力はかなり低くめです。忙しくなると部屋が汚れてくるし、夕ご飯のおかずも大量に盛られた、野菜炒め1品なんてこともざらにあります。子供や夫からのありがとう…

女医と語らう

とある休日。 池袋芸術劇場のおしゃれな喫茶店で、待ち合わせの相手を待っています。 彼女と初めて会ったのは、1年前のサムライナイトというイベントでした。この異業種交流会で初めて私は女医という肩書きの名刺を頂きました。セクシー内科医の上原暢子さん…

穏やかなの顔を目指して

誰もが大切な人の死は安らかであってほしいと願います。 私の父は癌でなくなりましたが、病院で過ごした最後の数時間、人の死が静かであることに驚きました。呼吸が少しずつ、深くゆっりとなり、体に付けられた計器の音だけが病室に響いています。 決して苦…

人は死ぬとどこに行くのうでしょう?

天国?空の上?それとも「無」なのでしょうか? 納棺式というお別れの場で、遺族は亡くなった方にまるで生きている人に話しかけるように言葉をかけます。当たり前の話ですが、棺に入る人はもう生きてはいない人です。 しかし、大切な人を失った遺族の中では…

天使になった子供達

小さな子供の納棺は何度経験しても心が痛くなります。 ハナちゃんは2才の女の子です。昨日までお父さん、お母さんにかわいい笑顔で大好きな絵本を読んだり、お父さんの脱いだ洋服を洗濯機へとトコトコ歩いて片付けたりしていました。 しかし、突然死は家族か…

あの世に何を持っていく?

棺 人間の死亡率は100%。ほぼ全員がいつか棺に入ります。 一般的な棺は、約縦180センチ横50センチ高さ45センチほどの箱です。 「ひつぎ」という漢字は2種類。中身が空だと「棺」ご遺体が入ると「柩」となります。 素材は大抵の棺が、木で出来ている…

霊感納棺士

無力な納棺師 日曜日の午前10時私はご遺体と向きあっている 隣接している公園からは子供の声が聞こえてきて、なんだか今いる部屋が別の世界にいるように感じます。 見ず知らずのご遺体と見ず知らずの場所で、こんな時間から向き合っているなんて殺人犯か納棺…

ありがとうございます。

少しでも多くの方に納棺式という素敵な時間を知ってもらいたくて始めたブログです。 文章書くのが苦手な私がご遺族にいただいた感動を消してしまうのではと心配もありました。 私の書いた記事を読んでくれた方、シェアをしてくれた方の輪が広がり今日私のブ…

鰻と日本酒

思い出の品と達人達 私の働いている納棺師の会社では1人の納棺師が年間約500名の亡くなった方のご処置に携わります。 たくさんの方の納棺式に立ち会わせていただきました。その中には本当に素敵なお別れの時間を作り出す達人達がいます。それは葬儀担当者で…

アラフィフ女は暗闇に吠える

今週のお題 運動不足解消 「暗闇エクササイズ」にはまる訳 「納棺士」の私はよく「大変なお仕事ね・・・」と声をかけていただくことがあります。 この「大変」にはいろんな意味が含まれていると思います ご遺体の状態も様々でしょう、だから「大変」よね。や…

なぜ亡くなった方をお風呂に入るのか

湯灌の儀式 私はこの仕事にまで就くまで、亡くなった方を浴槽で洗い流す「湯灌」という儀式があることも知りませんでした。 普段は人前でお風呂に入るなどしたことがない私は、私が亡くなる時はやらなくていいかなぁ。最初はこんな感じでした。 ところが、た…

頑張ったと褒めて欲しかった

がんばったと褒めてほしかった 理解されない遺族 「今回の喪主さん、旦那さんを突然亡くしたのにずっと笑ってるんだよね」そう言って葬儀の担当者さんは怪訝そうに私にドライアイスの入ったバッグを渡します。 納棺式を行っていると、突然の死別への反応とし…

納棺式という時間を知っていますか?

納棺式という時間を知っていますか? 突然のお別れ お布団に寝ているご遺体の男性は98歳。昨夜、夕ご飯を食べた後、8:00にはいつもの様にお布団にはいり、12時間後の今朝、同居の息子さんが冷たくなっているお父さんを発見しました。 98歳と言えば一般的には…

納棺式の流れ

納棺式の流れ 死を弔う動物たち 葬儀というものはよく出来ていると思う。亡くなった者を弔うのは特定の哺乳類だけという話を聞いたことがありますが、身近な誰かを亡くした時の悲しみは動物にもあるに違いないとおもうのです。 象は死んだ仲間を持ち上げよう…