最後にありがとうと言えたなら ~亡くなった方が教えてくれたこと~

大切な方とのお別れの仕方をご遺体が教えてくれました

納棺士の求人情報はどこに?

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私が納棺士と知ると、周りから色んな質問を受けることがあります。
普段から非日常に暮らす納棺士は、未知の職業なのかもしれません。かく言う私も、納棺士は亡くなった方をお化粧する仕事?ぐらいのイメージでした。
 
 
よく聞かれること①
どうやったら納棺士になれるか?
 
 
納棺士は特に資格があるわけではありません。
「私は納棺士です」と言えば明日からでも納棺士になれます。
 
だから、技術や知識を学び経験を積んだ納棺士もいれば、ご遺体にメイクするだけの納棺士もいます。ピンからキリまでいろいろなのです。
 
だから本当は頼む人(遺族)が選べるといいなあと思います。
葬儀会社にお葬儀を頼むと、その葬儀会社の納棺士または、提携をしている納棺会社の納棺士が来るのですが、葬儀会社が何を基準に納棺士(納棺会社)を選んでいるかはわかりません。
 
安さなのか、技術なのか、その納棺士の会社の特色なのかは葬儀会社の考え方です。
 
話は脱線しましたが、納棺士になるには、ハローワークや求人サイトで納棺や湯灌というキーワードで検索すると求人情報が出てきます。
 
ちなみにホームページを作っている会社なら、そこに求人情報をのせている会社も多いです。
 
男性でも女性でも、学歴も全く関係ありません。
年齢については覚えることが多く、体力も必要とするので制限があることが多いと思います。
 
ちなみに私が所属している会社では35歳以下の募集となっていますが、会社によってまちまちで、特に年齢制限のない会社もあるようです。
 
よく聞かれること②
納棺士は
どんな人が向いている?

 
私は今の会社で、教育や採用に携わっていて、時々こんな質問を受けます。
これは、難しい問いです。
納棺士にも個性があり、コミュニケーションに長けている人も有れば、厳粛な雰囲気を作るのが上手な納棺士や、ひたすら技術を突き詰めてご遺族に一番いいお顔でお別れしてもらいたいという納棺士もいます。
どの納棺士も自分らしくご遺族と故人へ寄り添います。
 
私の個人的な意見としては、納棺士に向かない人はいないと思っています。
 
ただ、この仕事はお給料を稼ぐだけの仕事として働いている人は少ないと思います。
何故か?それは、もっと楽にお給料をもらえる仕事はたくさんあるからです。
多分、納棺士をしている人達は納棺士というやりがい仕事がしたいと思っているのです。
 
新卒採用をしていると時々、身近な人との死別体験をしてこの仕事をしたいと決心したということを時々聞きます。
 
この仕事で得られるお給料以外の「何か」がこの仕事を続けている理由で、個々それぞれの何かがあるような気がします。


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よく聞かれること③
この仕事をしていて
一番よかったと思うことは?

 
死別という大きな悲しみの中、ご遺族からいただくお礼の言葉はもちろんですが、何か一つでも葬儀担当者やご遺族の要望に叶えることができた時はホッとします。
そして、こんな風に生きたいなぁとか、こんな風に送って欲しいと思えるようなお別れの場に立ち会えることも納棺士の特権かなぁと感じます。
 
昔から立証したいと思う事があります。
「納棺士にB型やAB型が多い説」
 
とはいえ、B型やAB型が向いてます!というのは些か、乱暴すぎるかも知れません。
 
日本人の血液型を大まかに分けると
A型 40%
O型 30%
B型 20%
AB型 10%
となるそうです。
そうなると、納棺士の血液型の割合もA型、O型がおおくなるはずですが、何故か私の周りはB型、AB型が圧倒的に多い。
 
好奇心旺盛なB型とちょっと変わりもののAB型が多いのは偶然ではないような気がします。
 
よく聞かれること④
この仕事をしていて大変なことは?

 
体力的な大変さもありますが、ゴールがないこと答えがないこと。
 
まず技術面でいうと、自分でこれでよし!と思えばゴールですが、これが出来ないのです。
最近ご遺族に喜んでもらってる!私の技術もいいところまできてるのでは??と奢っている納棺士を神様はよおく、見ている。
そんな時にはハードな現場に呼ばれてあー、もっと腕があれば…もっと何かできたのでは…。と打ちのめされるのです。
 
答えがないことも同じ。
自分ではベストを尽くしたつもりでもご遺族には納得いただけなかった。
あるご遺族には喜んで頂いた言葉が今回のご遺族には傷つけることになったりして、どの遺族や故人にも通用する正解や答えはないのです。
 
逆を言えば、
終わりがないと言うことが、この仕事の魅力でもあり、一生の理想を追い求める仕事となるのかも知れないですね。
 
さて、いかがですか?
納棺士という職業、ご理解頂けたでしょうか。