最後にありがとうと言えたなら ~亡くなった方が教えてくれたこと~

大切な方とのお別れの仕方をご遺体が教えてくれました

亡くなった方からのご褒美

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「ご褒美」なんていい言葉。

私は自分によくご褒美をあげる

一つのプロジェクトをやり終えた!

育てた新人さんが無事社内試験に合格した!

子供が無事就職!

頑張ってブログを更新した!

頑張って家を掃除した!

だんだん頑張ったことがショボくなるのは置いといて・・・

これをやり終えたら沖縄旅行

頑張ったらエステに行こう

ハイボールと美味しい食べ物が待ってるぞ

と、この「ご褒美」はこれは無理かも・・・と思える壁さえも乗り越えてしまえるような絶大な効力を持っている

 

しかし、本当にうれしいのは神様からのご褒美。

例えば、仕事で頑張ったときに、自分を評価をしてくれる人が現れたり

今まで話をしたことない人との繋がりができたりする

これは神様からのご褒美

 

最近本を出しました。

これは文章を書くの賀苦手だった私が、ライティングゼミやブログで苦手克服?した努力の賜物。そして、たくさん手直しをして、この世に出してくれた新潮社の岡倉さんの努力の賜物なんだけど、この本を作っていく中で、予期せず私は、亡くなった父について何度も考えました。それは、そのたびに父がもういない寂しさや、私が父から受けた影響について何度も噛みしめるちょっと嫌な作業でした。

だけどそのお陰で、私は案外、父の落としていったパン屑をちゃんと拾いながら、私らしく生きてきたんだと気づくことができました。それはこれから先、ずっと父は私の横で歩き続けてくれることに気づけたことです。もうご褒美というか、宝物です。

この宝物は神様からというより、亡くなった父からのご褒美でした。

亡くなった方からのご褒美は、一生ものの宝物。

大切な人が亡くなったときに私たちの心や体にはいろんな反応がおこります。失った人の存在が大きければ大きいほど最初のうちは痛みを伴う反応です。多くの人は普段の生活をこなしていくために、蓋をしていることが多いのです。

その痛みと、いつ向き合うかは人それぞれの、タイミングがありますが、もし向き合わず、蓋をしていたとしても、その心の痛みは蓋をして抑えきれるものではありません。

私自身、長く蓋をして、生活をしてきましたが、時に身体に病気のような症状ととして現れたり、感情の面で突然落ち込んだり、涙があふれ振り回されることも多くありました。

私は、グリーフサポートという死別によって自分に起こった様々な反応を、学ぶ場所に出会えたおかげで、安心・安全な場所で自分の気持ちに向き合うことができました。

この悲しみに向き合う作業をしたとき、亡くなった方は私たちにたくさんのご褒美をくれます。

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若くしてご主人を亡くした奥様は、亡くなってからご自身の気持ちをどんな風に、整理していけばいいのか、ご主人への想いをどうにか表現しようとが頑張っていらっしゃいました。

多分それは大変な痛みを伴うことだと思うのです。

それでも彼女の周りにはそれを聞いてくれる、サポートグループやお友達がいます。

そんなお話を伺うたびに、ご主人が奥様に贈ったご褒美は「奥さんをサポートする人との出会い」のような気がします。

先日こんな話をお聞きしました。

5年前結婚式を挙げたホテル。結婚記念日ごとにこのホテルを利用したくてご主人が選んだ場所でした。

2年目からはコロナのこともあり、ご主人と行けたのは最初の結婚記念日の一度きりだった。でもね、と奥さんは嬉しそうに私に教えてくれました。
ずっとこのホテルに二人で行けなかったことが気になっていたから、一人で行ってきたんです。そしたら、ホテルの方が以前ご主人と泊まった部屋にグレードアップしてくれて結婚記念日を同じ部屋で過ごすことができたんです。

ご主人との思い出を振り返ろうとする奥様をサポートしてくれる人が現れる。その結果、亡くなった後にもこんな風にご主人との思い出を増やしていけるなんて、とても素敵なことだとおもいます。

もちろん奥様の素直な、かわいらしい雰囲気のせいかもしれません。しかしそれと同時に、頑張っている奥様へ、亡くなったご主人からのご褒美に見えるのです。

 

もし大切な人を失って、苦しい、辛い時間を過ごしている方がいたら、今はその気持ちを横に置いておく選択肢もあります。だけど思い出してほしいのです。

辛い気持ちにはちゃんと理由があってその理由を知ろうとするとき、亡くなった人からのご褒美が待っているということを。