亡くなった方が教えてくれたこと
大切な方を失ったご遺族の頭の中は決していい想い出だけではない。嫌な想い出、辛い想い出の中で止まっている方もいます。それはおかしいことじゃない。 以前納棺式でご遺族のお手伝いをしていた時の話。 亡くなったのは70代の男性、喪主の奥様、娘さん二人…
今まで何人ものお母さんの納棺式を見てきました。どんなに仲が悪くケンカばかりしていたとしても、会話がなくなっていた親子であっても「死」という出来事は、親子や人とのつながりを考え、気づかせてくれる、亡くなった方から送られる最後のギフトに思えて…
桜の時期に思い出す光景 桜の季節になると、一枚の写真のように思い出す光景があります。庭に咲いた桜の花。隣接する公園の桜の木と重なり、まるで切り絵のようです。桜の木の下には亡くなったお父さんが寝ている真っ白い棺が置いてあり、その周りで遺族が思…
お母さんの匂い まだ小さな子供がいらっしゃるお母さんの納棺式はいつも緊張します。自分と重ねて、『もっと子供の成長を見たかっただろうに』『子供達はお母さんがいなくなってこれからどうするんだろう』伺う前からつい、そんなことを想像して、悲しい気持…
いつも、思うことがあります。 納棺式で、ご遺族の言葉が亡くなった方に届いているのだろうか。 私はたまたま、納棺師という職業でご遺族のお別れの場に立たせていただいてます。ご遺族の言葉に涙が出てくる事もあります。 でもその言葉は私や周りに聞かせた…
心霊ブームとピンクレディ私が小学校低学年の頃、心霊ブームで心霊写真とか、怪奇現象が、よくテレビで取り上げられていました。 ちょうど学校から帰る時間、テレビをつけるとやっていた心霊写真の特集が私は怖くて仕方がなかったんです。確か、3時のあなた…
ブログをはじめて、3カ月。 葬儀業界、年末年始も仕事があれば休み無し。 それでも今年はありがたいことに、31日〜2日までお休みをいただきました。 しかし、弊社に在籍の45名の納棺士のうち、3/2の納棺士が年末の今日も走っています。 そんな中、今年始めた…
深い悲しみから逃げたくなる時死別を体験したご遺族の悲しみは、はかり知れないものがあります。 悲しんでる人の側にいるって大変です。 しかし、私たち納棺士は「納棺式」というお別れの場でご遺族のお手伝いをする仕事です。 側にいる覚悟を持たなくてはな…
先日、自宅で子供達が小さい頃の映像を整理していると亡くなった父の映像が出てきました。 今では25歳、24歳の息子達が、映像のなかでは、まだ、4歳、3歳ぐらい。父の膝の上で夕ご飯を食べて笑ってます。 こんな映像が、あったのかと懐かしい気持ちになりま…
棺 人間の死亡率は100%。ほぼ全員がいつか棺に入ります。 一般的な棺は、約縦180センチ横50センチ高さ45センチほどの箱です。 「ひつぎ」という漢字は2種類。中身が空だと「棺」ご遺体が入ると「柩」となります。 素材は大抵の棺が、木で出来ている…
思い出の品と達人達 私の働いている納棺師の会社では1人の納棺師が年間約500名の亡くなった方のご処置に携わります。 たくさんの方の納棺式に立ち会わせていただきました。その中には本当に素敵なお別れの時間を作り出す達人達がいます。それは葬儀担当者で…
がんばったと褒めてほしかった 理解されない遺族 「今回の喪主さん、旦那さんを突然亡くしたのにずっと笑ってるんだよね」そう言って葬儀の担当者さんは怪訝そうに私にドライアイスの入ったバッグを渡します。 納棺式を行っていると、突然の死別への反応とし…
納棺式の流れ 死を弔う動物たち 葬儀というものはよく出来ていると思う。亡くなった者を弔うのは特定の哺乳類だけという話を聞いたことがありますが、身近な誰かを亡くした時の悲しみは動物にもあるに違いないとおもうのです。 象は死んだ仲間を持ち上げよう…